「ピアノを買いたいけど、近所迷惑が怖い」 「防音室を入れたいけど、何畳あればいいの?」
ピアノの防音室選びは、「ピアノの種類」と「演奏する時間帯」で答えが決まります。 曖昧なスペックで選ぶと、「狭すぎて蓋が開かない」「夜中に弾いたら苦情が来た」という最悪の事態になります。
結論から言うと、以下の基準で選んでください。
| ピアノの種類 | 最低サイズ | 推奨サイズ | 必要な遮音性能 |
|---|---|---|---|
| アップライト | 2.0畳 | 2.5畳〜 | D-50(標準) |
| グランド (C3迄) | 3.0畳 | 3.5畳〜 | D-55(高性能) |
なぜこのサイズと性能が必要なのか、プロの視点で解説します。
1. 遮音性能:D-50とD-55の決定的な違い#
ピアノの音量は約90dB〜100dB。これは「電車が通るガード下」と同じレベルです。 これを「深夜でも聞こえないレベル(40dB以下)」にする必要があります。
アップライトなら「D-50」でOK#
壁に向かって弾くアップライトピアノは、背面から大きな音が出ます。 D-50(標準モデル)の防音室なら、日中〜夜22時くらいまでは問題なく練習できます。 ただし、深夜2時などの真夜中に弾くなら、ワンランク上のD-55が必要です。
グランドピアノは「D-55」が必須#
グランドピアノは、響板が水平にあり、音が上下に放射されます。さらにペダルを踏んだ時の重低音(振動)が床を伝わります。 標準のD-50では、低音が壁を突き抜けて隣家に響く可能性が高いです。 迷わず**高遮音タイプ(Dr-40〜Dr-50相当)**を選んでください。
2. 広さ選び:カタログの「○畳」を信じるな#
「ピアノが入ればいい」と思ってギリギリのサイズを選ぶと後悔します。
アップライト:2.0畳以上が必要な理由#
「1.5畳でも入る」と言われますが、おすすめしません。
- 理由:圧迫感が凄まじく、音が耳に直接刺さって疲れます。また、調律師が作業するスペースが確保できず、メンテナンスを断られることもあります。
- 正解:2.0畳あれば、背面に空気の層を作れて音も良くなり、調律もスムーズです。
グランドピアノ:3.0畳は「置けるだけ」#
C3クラス(奥行き186cm)を3.0畳に入れると、椅子を引く隙間が数センチしかありません。
- 実態:カニ歩きで移動することになります。
- 音響:屋根(大屋根)を全開にすると天井にぶつかるか、音が飽和して耳が痛くなります。
- 正解:3.5畳〜4.0畳。これなら小規模なサロンのような響きが得られます。
3. 見落としがちな「床の補強」と「重量」#
ピアノ+防音室の総重量は、想像を絶します。
- アップライト(200kg)+ 防音室(300kg)= 約500kg
- グランド(350kg)+ 防音室(500kg)= 約850kg
木造住宅の2階は危険#
一般的な木造住宅の床積載荷重は「180kg/㎡」程度です。 6畳の部屋にグランドピアノ防音室(1トン弱)を置くと、床が沈む、引き戸が開かなくなるなどの障害が出ます。 必ず工務店やハウスメーカーに、床補強工事を相談してください。 (※マンションのコンクリート床なら、梁(はり)の上などを選べば置けるケースが多いです)
まとめ:試弾なしで購入してはいけない#
カタログスペックだけで決めるのはギャンブルです。 必ずヤマハやカワイのショールームに行き、以下の実験をしてください。
- 防音室の中に入って、ドアを閉めてもらう
- 店員さんに外で「大声」を出してもらう
- 逆に、自分が中でピアノを弾いて、外で音を聞く
自分で体感した「静けさ」だけが、信頼できるデータです。
おすすめの選択肢#
新品ユニット:ヤマハ「アビテックス」、カワイ「ナサール」
- 資産価値が残り、売る時に高く売れます。
中古ユニット:新品の6〜7割の価格。
- 性能は劣化しにくいので、サイズが合えば最強のコスパです。
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