「家でドラムを叩きたい!」 その気持ち、よくわかります。でも、現実を先に伝えさせてください。
生ドラムを家で叩くには、最低400万円の防音工事が必要です。 しかも、それでも「深夜は無理」です。
結論から言うと、99%の人には「電子ドラム+ヘッドホン」が最適解です。 それでも生ドラムにこだわるなら、覚悟を決めて読み進めてください。
1. なぜドラムは「最も防音が難しい楽器」なのか#
① 音量が桁違い(100dB超え)#
ドラムのフルショットは約100dB〜110dB。これは電車のガード下や工事現場と同じレベルです。 ピアノ(90dB)やギター(70dB)とは次元が違います。
② 低音(振動)が床を突き抜ける#
バスドラムの「ドンッ」という音は、40Hz〜100Hzの超低音です。 この振動は、壁ではなく床を伝わって建物全体を揺らします。 だから、壁の防音だけでは全く意味がありません。
2. 生ドラムに必要な防音スペック#
もしあなたが「どうしても生ドラムを叩きたい」なら、以下が最低条件です。
| 項目 | 必要スペック | 理由 |
|---|---|---|
| 遮音性能 | D-60以上 | D-50では低音が漏れる |
| 防振床 | 浮き床構造 | バスドラムの振動を遮断 |
| 広さ | 3畳以上 | ドラムセット+椅子の可動域 |
| 費用 | 400万円〜 | ユニット型では不十分 |
なぜユニット型防音室では無理なのか#
ヤマハの「アビテックス」など、市販のユニット型防音室はD-40〜D-50が限界です。 これでは、バスドラムの低音が素通りします。 本気でやるなら、**現場での防音工事(床・壁・天井すべて二重構造)**が必須です。
3. 現実的な選択肢:電子ドラムという正解#
「400万円は無理…」という人(99%の人)には、電子ドラム+ヘッドホンが最強の解決策です。
電子ドラムのメリット#
- 防音室が不要:ヘッドホンで聞くので、音漏れゼロ。
- 深夜でも叩ける:時間を気にせず練習できる。
- 初期費用が安い:エントリーモデルなら5万円〜。
唯一の問題:「打撃音(振動)」#
電子ドラムでも、スティックでパッドを叩く「タタタッ」という音と、ペダルを踏む「ドンッ」という振動は発生します。
対策:
- 防振マット(厚さ15mm以上)を敷く → 約1万円
- メッシュパッドのモデルを選ぶ → 打撃音が静か
- ツインペダル用の防振台を使う → バスドラムの振動を吸収
これで総額10万円以下で、集合住宅でも深夜練習が可能になります。
- 詳しくは:ゲーマー・配信者の床騒音対策 ※防振マットの選び方はこちらでも解説
4. それでも生ドラムを叩きたい人へ#
「電子ドラムじゃ物足りない」という気持ちもわかります。 生ドラムの空気を揺らす感覚は、電子では再現できません。
選択肢① スタジオを借りる#
- 費用:1時間500円〜1,000円
- メリット:防音完璧、機材も揃っている
- デメリット:移動が面倒、予約が必要
週3回×2時間練習するなら、月2〜3万円。 これを10年続けても、総額360万円。防音室を作るより安いです。
選択肢② 田舎の一軒家に引っ越す#
周囲に家がない環境なら、防音室なしでも叩けます。 ただし、窓を開けたら1km先まで聞こえることは覚悟してください。
まとめ:夢と現実のバランスを取ろう#
- 99%の人には → 電子ドラム+ヘッドホン
- お金に余裕がある人には → スタジオ練習
- 本気のプロ志望には → 400万円の防音工事
ドラムは、楽器の中で最も環境に左右される楽器です。 無理に生ドラムにこだわって近隣トラブルになるより、電子ドラムで毎日練習する方が、確実に上達します。
まずは電子ドラムで基礎を固めて、スタジオで生ドラムを叩く。 これが、2025年の「賢いドラマーの練習スタイル」です。
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